(77)正常性バイアス

2018年6月25日

 災害や事故、事件が起こると必ずと言っていいほど、逃げ遅れによる被害の拡大や行政の対応の遅れが指摘される。それらの多くは、人間に本来備わっている正常性バイアスに起因するといわれる。
 正常性バイアスとは何か。インターネット上のフリー百科事典ウィキペディアは次のように解説している。
 「正常性バイアス(英:Normalcy bias)とは、認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
 自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、『自分は大丈夫』『今回は大丈夫』『まだ大丈夫』などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。
 人間の心は、予期せぬ出来事に対して、ある程度『鈍感』にできている。日々の生活の中で生じる予期せぬ変化や新しい事象に、心が過剰に反応して疲弊しないために必要なはたらきで、ある程度の限界までは、正常の範囲として処理する心のメカニズムが備わっていると考えられる」
 水害時に田んぼを見に行って流された人、噴火の様子を撮影しながら火砕流に巻き込まれた人、幼児虐待事件などへの行政の対応の遅れなども、なるほどそういうことだったのかと思い当たる。
 災害時において被害を最小限に食い止めたり、事故や事件を未然に防いだりするためには、誰もが持っているこの正常性バイアスを乗り越えるシステムが必要である。我々が災害や事故、事件を検証し、予防措置を考える際にはこの事を決して忘れてはならない。

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