定例記者会見・平成30年8月
平成30年8月6日(月曜日)の定例記者会見
とき:午前10時~10時40分
ところ:市役所本庁舎2階庁議室
1 業農家チャレンジ支援事業の入賞アイデアの発表について (説明:農林部農業振興課)
2 北上市総合防災訓練について (説明:消防防災部消防防災課)
市長から
おはようございます。3日間のみちのく芸能まつりの取材ありがとうございました。昨日は雨が心配されましたが、花火まで終了することができました。
今日は2件の案件です。
1件目は兼業農家チャレンジ支援事業についてです。2つの事業についてアイデアを募集し決定しました。目的は兼業農家を支援するという意味があり、入賞したアイデアについては広く多くの皆さん方に使っていただきたい思いがあるので、今日発表します。市民の皆さん、兼業農家の皆さんに知っていただきたいという思いでお伝えするものです。
2件目の北上市総合防災訓練については、例年9月1日前後に行っていますが今回は9月2日(日曜日)午前7時から正午まで開催します。今年の場所は川岸で北上川の洪水範囲の中に入っている部分です。特にもコミュニティFMの放送が始まったので伝搬手段を駆使して実際に機能するかどうかも行いたいと思っています。第2ステージはさまざまな防災等の体験をしていただきます。この2本立てで防災訓練を行いますので、9月に向けて周知をしていただければ大変ありがたいと思います。特にも西日本の洪水被害等もあるので、避難情報等については早くから市民の皆さん方に知っていただき注意していただくことが重要だと思っていますのでよろしくお願いします。詳しくは担当から説明します。
兼業農家チャレンジ支援事業の入賞アイデアの発表について (説明:農林部農業振興課)
北上市次世代農業創出プロジェクトの中の兼業農家チャレンジ支援事業について入賞アイデアが決定したので発表します。多くの応募をいただき大変感謝を申し上げているところです。公募期間は4月13日から6月15日までの約2カ月間です。6月29日(金曜日)に審査をして7月12日の決裁と同時にホームページへ公開しています。このチャレンジ支援事業は兼業農家の収益向上のため農家経営のアイデアを募集したもので、アイデアの提案のみを一般から公募した提案型と、自らアイデアにトライしようとする実践型の2つに分かれています。提案型には50件、実践型には11件の応募をいただいています。審査には当市の産業振興アドバイザーの東京大学の山本先生をはじめ、3人の先生、関係機関からは花巻農業協同組合の北上地域営農センターのセンター長様、岩手県の中央農業改良普及センターの副所長様、当市農林部長の6名によって行われています。審査の基準については、効果性、実現性、独創性、成長発展性、費用の妥当性などが審査の基準となっています。内容についてご報告させて頂きます。はじめに提案型です。5件あります。1つ目は、兼業農家を応援する社内ファーマーズマーケットです。こちらは兼業農家が勤める企業等が生産物を社内で販売できる体制を整えて社内でファーマーズマーケットを開催するというアイデアです。審査員の方々からは北上市らしいアイデアということで評価をいただいています。企業の社会貢献活動、従業員さんにとっては福利厚生につながるのではないかということでこの提案を採択しています。2つ目は、北上ベジパートナープロジェクトです。農家と消費者をマッチングするサイトをつくろうというものです。1年間に栽培するものと消費者さんが必要とするものを事前にマッチングさせることと農作業の体験などをして人出不足の問題解消にもつなげようというアイデアです。3つ目は、ミニトマトのソバージュ栽培です。ソバージュ栽培というのは露地放任型の栽培です。放任した栽培に適したミニトマトの種類があり、そちらを多くの方で取り組むことによって最終的には産地化も考えられるのではないか、もしくは放任型ということで手数があまりかからないことからオーガニック栽培も可能ではないかという提案です。4つ目は、ポータルサイト「北上農家ファンクラブ」設立です。こちらを提案しているのが、震災以降岩手県で活動しているNPO法人です。インターネットによるポータルサイトを設立して消費者と会話型の交流ができるようなサイトをつくったらどうかという提案です。既存のSNSを活用することで低予算で常時、情報発信・受信ができることを考えているものです。このようなアイデアは多くありましたがNPO法人が自分で手掛けても良いという内容だったので採択されたと考えています。5つ目は、ひまわり畑プロジェクトです。こちらは遊休農地を一時的にひまわり畑にすることによって土壌回復を図り、観光資源としてもインバウンドに役立つのではということです。サンフラワーオイル(ひまわり油)を生産することではどうかということで連作障害の対策にもなるというアイデアです。続いては実践型です。これは農家自らがやることで市としては最大で50万円の費用を用意しています。最初にさつまいもの販売及びさつまいものブランド化に伴う町の創生についてです。この方は既に春からさつまいもを生産しはじめていて、これを皆さんに広げていきたいことからこのアイデアを提案していただきました。つぼ焼きという焼き方で加工品として販売することも可能です。さつまいもは比較的手間がかからないので兼業農家にはいいのではという提案です。二子さといも、長芋、口内のごしょ芋、じゃがいもと生産はたくさんあるので芋の町としてブランド化していくというのも評価に入っていました。続いてはゲリラ産直です。こちらは過疎地を生産者自らがトラックで回って販売するものです。この方は小菊を販売していますが小菊は時期を逃すとかなり安くなってしまうこともあり、この提案をされたものです。将来的には他の生産者の生産物を一緒に売ることも考えています。高齢化が進んでいる地域の生活利便性の向上が図れる、または見守るという内容にもつながるのではと評価をいただいています。続いて、「すてきなティータイムしませんか」です。こちらは多年草のハーブを栽培することによって収益につなげようとするものです。実際に乾燥機を使用してハーブティーを作り、直売所で販売することを検討したいというアイデアです。ハーブは比較的虫がつきにくいこともあり、生産が容易ではないかと考えられます。続いて、農産物の直売所の運営支援WEBサービスの開発です。こちらは直売所をオムニチャンネル化し多方向への販売ができるように考えたいということです。直売所と生産者と購入者がそれぞれの利便性を上げることを目的としています。最初に購入者向けに、スマホ等で産直に今、何を置いているかを農家さんから情報を得て送ります。その日に産直に何があるのか消費者がわかるような仕組みをつくるということです。産直で何が欲しいか決まっている方々が多く、あの産直には今何が置いているか、売り切れの場合もあり産直をぐるぐるまわっている消費者もいます。それがないようにある程度何が置いてあるかネット上で見られるようにしたいということです。生産者から若干のマージンをもらいながら産直には迷惑をかけず、面倒をかけずにやるのはどうかという提案です。少しずつ動いていて、産直にも打ち合わせに行っている精力的なアイデアです。続いて「オーガニック野菜を使ったアレルギー対応バイキングin北上」です。こちらはアレルギーを持った子どものお母さんからのアイデアです。家族で一緒に食べる機会が少なく、外で子どもと一緒にアレルギーの心配がないものを食べさせるような料理バイキングがないかということで考えたものです。地元のオーガニック野菜の販売、拡大にもつながるということでこちらを採択しています。最後に「生産物の魅力を自ら発信!目指せ!マルチアグリクリエーター!」です。こちらは生産者自ら、野菜の写真を撮ったり、SNSへ載せるCMのようなものをつくることによって販売を拡大していこうというものです。自らが実践してそれを皆さんに教えていきたいという発想です。提案型は全部で50件です。20代、30代、50代の方が多く出しています。市内は32人、県内7人、県外11人という状況です。実践型は全て市内の皆さんです。アイデアについては兼業農家のみならず専業農家においても十分収益向上につながる提案もあります。今後市は、いただいたアイデアを積極的に公開しますので農家に役立ててもらいたいです。実現に向けて関係機関と連携し、実践を試みる方と多くの関係者とのつながりをつくることで市の農業振興に役立てていきたいと考えています。全国からたくさんのアイデアをいただいたなか応募メールを見ると北上市出身の大阪の方がいらっしゃったり、農家への励まし、応援の言葉が添えられたりしていました。こうした思いを市内農家に多く伝えていきたいと強く思いました。
北上市総合防災訓練について(説明:消防防災部消防防災課)
この訓練は東日本大震災の翌年から取り組んでいて今年で7回目になります。毎年9月初めの防災週間に合わせて実施しているものです。今回は9月2日午前7時から正午までです。場所および内容は、第1ステージとして黒沢尻東地区交流センターで避難訓練をします。地区の住民の皆さんが避難所に避難し、受け入れの仕方などの訓練をします。情報伝達訓練は午前7時頃に携帯電話スマートフォンへの地震発生の緊急速報メールの配信や北上ケーブルテレビでのL字放送をします。地元の消防団第2軍団が消防団車両で巡回広報をします。今回新たに災害協定に基づき午前7時40分頃コミュニティFMによる避難所開設情報を訓練放送します。第2ステージは黒沢尻東小学校で参加体験型訓練をします。体験では岩手中部水道企業団による給水車両の展示及び給水訓練をします。展示では災害時に情報を流すコミュニティFMの紹介や災害時に情報収集の有効な手段であるドローンの展示をします。自衛隊の活動紹介では自衛隊岩手地方協力本部による車両や制服などを展示します。スタンプラリーについて昨年から取り組んでいるものですがこれにより多く体験する市民の方が増えました。引き続き今回も継続して取り組み、7つを体験して頂いた方に備蓄セットをプレゼントします。ぜひ取材していただき市民の方々と防災関係機関が協力し防災意識を高めていることについて報道していただければと思います。
質疑などその他
/兼業農家のチャレンジ支援事業について、応募件数は多く集まったという認識か。集まったアイデアは全体的にどのような評価だったのか。
→今年度初めて取り組んだ事業として応募については非常に不安になっていましたが、これだけ多くのアイデアをいただいたことを大変嬉しく思っています。アイデアの内容については先生方からも非常にいい審査だったと好評をいただいています。実現の可能性があるものと、市が積極的に取り組まなければならないものがあります。農業のアイデアは農家さん1人でかなうものではなく多くの皆さんとつなげることで成功に導いていくものと思っています。既に動き始めていますがアイデアに協力いただける皆さん、自分が実際に仲間になって一緒にやってみようという方々を多く発掘したいと思います。
/チャレンジ支援事業について、入賞アイデアは最優秀賞や優秀賞などの順位がついているのか。
→採点の中身については高得点のものもありますが、アイデアを採択したという形で順位はつけていません。
/実践型については最大50万円の補助金ということだが、提案型の懸賞金は。
→懸賞金は一律10万円です。
/提案型に懸賞金を出す意図は。
→広く皆さんから意見をいただきたいというのが当初の目的です。農家さんだけではなく企業の方々やネットを使った広め方を考えている方々も想定していたのでさまざまな方々からいろんなアイデアを公募するという意図から賞金を付けました。
/兼業農家だけではなく専業農家にも生かしていくのか。
→専業農家さんにとっても使えるアイデアはたくさんありました。こちらは公開、提案していくというかたちでぜひお使いいただけたら嬉しいと思います。例えばネット産直については専業農家も使っている場所なのでそちらの収益アップ、もしくは利便性の向上にもなると確信しています。そういったところにもつなげていければと思います。
/実践型で実際に取り組んでいる方はいるのか。
→実践型についてはほとんど取り組み始めています。意欲的な方々なので自分の思いを成功させたいということで市役所にも何度も足を運んでいただきつなげてもらいたい場所などを提案しています。さつまいもについては既に栽培されています。実験的に芋のシロップのようなものも検討しています。さつまいもはアレルギーが少ないということで甘味料としても可能性があるのではないかという動きもあります。産直さんへの運営支援WEBサービスについては既に産直2カ所に受け入れていただける流れになっています。
/防災訓練ではドローンは展示のみか。
→ドローンの飛行の取り組みを進めています。飛行するためには30m四方に人が出入りしない対策が必要になります。ドローンの飛行条件として雨が多いとき風が多いときは展示のみです。こちらとしては大きな目玉として飛行することを進めたいと考えています。
/当日は飛ばす体験もできるのか。
→操作はできません。専門の方が操作して飛ばしているところを見てもらいます。
/給水車による給水は今までやっていなかったのか。
→岩手中部水道企業団が水道部門をやっていますが給水車による給水体験は今回が初めてです。被災地をみると水に苦慮している情報もあることから今回この訓練に取り組んでいます。
/何人くらいの参加予定か。
→例年500人~1000人が参加しています。今回は黒沢尻東地区ということで1000人くらいを目標に考えています。1000人というのは避難所に避難した方、各地区に自主防災組織で避難所を開設していて、今回の黒沢尻東地区は11カ所の地区に避難する人も含めた数です。
/震災翌年の2012年から始まったのか。
→はい。
/コミュニティFMについて開局してからこの1週間のすべり出しをどう見ているか。今後の市民への呼びかけは。
→まだまだ行きわたらない部分もありますが、芸能まつりの様子をみると昨日の花火を車の中からFMの放送と一緒に見た方の感想などがSNSなどに載っていたので徐々に浸透していくのではないかと思っています。昨日の花火は立花側の駐車場から見る場所についてはほぼ満杯で、そういった楽しみ方も今後普及していくのではないかと思います。災害の時にすぐ聞けるように市民の皆さんには、震災直後には用意したであろうFMラジオをまたひっぱり出して88.8MHzに合わせてスイッチを入れられるようにしていただければと思っています。実際に放送が始まってよく聞こえるエリアや聞こえないエリアなど出てくると思うので詳細に調査しながら全地域に聞こえるように対策をとっていきたいと思います。
/難視聴区域は市で手当てをしていくのか。
→そうです。
/各世帯にラジオを無料配布することはあるのか。
→無償貸与を考えています。避難行動要支援者、自主防災組織の代表、区長など避難を誘導する立場の皆さんには無償対応ということで今年度予算はとっています。今は機種選定しています。
/数はどれくらいか。
→930台程です。区長、民生委員、自主防災組織の代表の方、北上川の氾らん・浸水エリア、土砂災害警戒区域にお住まいの要支援者の方を考えています。
/一般の人は市販のラジオを88.8MHzに合わせる習慣がないことが課題だと思うが、今後機能訓練などなにか行っていくのか。
→緊急告知機能が付いたラジオを貸与することを考えています。発注して作るものなので手配を考えると11月には手に入ると考えています。速やかに配りたいと考えています。友好都市の石垣市では、タクシーで常にコミュニティFMがかかっている状況になっていて、タクシー協会の方にも検討してほしいという話をし、前向きに検討してみましょうというお返事をいただいています。いろんな公共的なスペースでも常時流してもらえるようにしていかなければと思っています。
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更新日:2019年02月28日