(98)市民の定義

 市民活動団体の支援をしていた頃、先輩格の団体であった、せんだい・みやぎN P Oセンター元代表理事の故加藤哲夫さんから、さまざま貴重なご指導をいただいていた。加藤さんはよく、N P O活動の対象、あるいはパートナーとしての「市民」と、いわゆる一般的な「住民」とは意味が違うのだと仰っていた。今から20年以上も前のことである。当時の私は市民も住民も混同していたので、加藤さんの言葉には目から鱗が落ちる思いをしたものだ。


 インターネット辞書で調べると、市民とは政治的共同体である市(都市)の主権的な構成員とある。その土地に住む人、もしくは集団という意味の住民とは違う概念である。市民セクター側から見れば、市民はまちづくりの主体なのであるが、行政や議会は市民を主にサービスの対象者、いわゆる客体として見てしまいがちなのだという。


 北上市の場合、全ての条例や計画の上位にあって、まちづくりの最高規範となる自治基本条例がある。その第3条第1号では「市民」を「市内に住む者、市内で働く者及び学ぶ者並びに市内に事業所を置く事業者及び市内でまちづくり活動をする団体をいう。」と定義している。ここで注目していただきたいことは、市民の概念が市内に住む住民だけではないということである。市内で働く者も学ぶ者も、事業所もまちづくり団体もまちづくりの主体としての市民に含んでいるのが大きな特徴であり、ぜひ知っておいていただきたい。


 市民の定義を考えるとさまざまな事が見えてくる。世界中に広がった新型コロナウイルスによる社会的混乱には、地域によって大きな違いが見受けられる。そこに地域特有の「市民力」が少なからず関係していることは容易に想像できる。私は近年、北上市民は大いに市民力を育んできたと自負する一人である。だから今般の新型コロナの災禍がいかに長期化しようとも、この市民力で必ず乗り越えられるものと信じている。

 北上市長 髙橋敏彦

(令和2年5月22日発行広報きたかみ「珈琲ブレイク」より)

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更新日:2020年05月22日