(106)区長制度と市民自治

 12月議会に区長制度存続の請願があり、市議会において制度の存廃をめぐって議論が交わされた。当市には125の行政区があり、それぞれに市特別職公務員(令和2年4月からは国の法改正により有償ボランティア)としての区長を配置している。主な業務は、市広報紙などの配布や自主防災組織などとの連絡であり、日々ご苦労いただいていることにまず感謝を申し上げたい。区長の多くは行政区の自治組織の代表も務めているため、多忙を極める人も多く、市の業務と行政区自治組織の職務との区別がつかない場合も多々あったようである。その中で、市特別職公務員としてならまだしも、有償ボランティアでは業務遂行のモチベーションが維持できないとの声も聞こえ始めた。

 市はこの事態を受けて、これからの区長制度をどのようにするか、16地区の地域づくり組織や行政区長協議会などと協議を進めた。そして、これまでの区長業務である文書配布業務や連絡業務などをそれぞれ分割し、民間組織や地域づくり組織などに委託した方がいいのではないかとの方向性を見出した。つまり区長制度の廃止である。ところが、先に述べたように、区長の多くは行政区の自治組織の代表を務めているために、区長がいなくなると地域の困りごとを相談する相手がいなくなるなどの誤解が不安を生み、議会への制度存続の請願につながったものと思われる。

 ここでぜひ思い出していただきたいのは、自治基本条例にうたっている市民自治の意味である。当市には16地区それぞれに地域の課題を自ら解決する地域づくり組織が存在し、その構成員には行政区の自治組織も所属している。つまり、行政区自治組織の代表者としての区長(呼び方は行政区によってそれぞれ)は、各地区の地域づくり組織の一員として、行政区内の各種職務を行うのが市民自治本来の姿なのである。しかし、これまでの区長制度では、区長が行政側の所属となっており、本来の市民自治とは言い難い状態にあったのではないだろうか。今回の制度見直しによって、行政区自治組織の代表者としての区長が、自治基本条例に沿った市民自治の本来あるべき姿になるということをご理解いただければ幸いである。

 北上市長 髙橋敏彦

(令和3年1月22日発行広報きたかみ「珈琲ブレイク」より)

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更新日:2021年01月22日