(20)大楢は生きている

 今年4月、本通り二丁目にある「黒沢尻の大楢」に車が衝突し、それがきっかけで伐採する事になってしまった。この大楢は藩政時代の町割りのシンボルであり、自然分布域の北限にある貴重な樹木として、市の文化財(天然記念物)に指定していたものだ。道路整備の際には、わざわざ車道を迂回させてまで残した巨木で、何とか残せないものかと、「きたかみ巨木の会」に所属していた樹木医に相談。さらには岩手県内の樹木医を探し当て、診断を試みるも、その結果は残念 ながら「倒木の危険大」であった。

 本来であればこの時点で通行止めの処置を取るべきなのかもしれないが、中心市街地の主要道路であり、市民生活 への影響を考えると伐採までの間、このまま倒れずにいてくれと祈るばかりであった。二週間後に迫った北上・みちのく芸能まつりでは多くの車両、人々がこの下を通る。それまでがタイムリミット。重要な文化財と言えども市民の生命を危険にさらすことはできない。既にレッドカードが出てしまったものを、イタズラに結論を引き延ばすことも出来ない。正に苦渋の決断とはこのことだろう。

 伐採の直前、大楢の元所有者の関係者から神事の申し出があり、執り行っていただいた。ご承知の通り、神事を行うことのできないのが行政であり、本当にありがたい申し出であった。伐採を告知してからわずか10日間しか無かったにもかかわらず、多くの市民が大楢の伐採に立ち会い、その勇姿を惜しんでくれた。樹木医の話では、しばらくすると切り株から新しい芽(ひこばえ)が出てくるだろう、との事。それが大きく育って、巨木になるまで、あと何百年かかるのだろうか。私たちの子どもや孫、さらにその子や孫の代になるまで、生き続けてくれることを祈りたい。

 北上市長 髙橋敏彦

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更新日:2019年02月28日