(9)沿岸被災地を巡る

 東日本大震災から早一年半。復興の様子を見るため妻と二人で沿岸に向かう。遠野から笛吹峠を通って大槌町へ。昨年3月の光景からは瓦がれき礫が片付いただけで何も変わっていない。ポツンと一軒、タクシー会社が傷んだ社屋で営業をしている。観光客だろうか、あちらこちらにたたずんで、辺りを眺めている。町外れの海鮮食堂は、午後2時にもかかわらず10人ほどが席待ちをしていた。お盆のためか、大家族での来店が多い。中には仮設住宅からの人もいるのだろうか。明るく話が弾んでいる様子に少しほっとした。穏やかに青く輝く大槌湾を眺めながら、自宅へまだ帰られない人たちがいることを考えた。

  国道45号を南下し、釜石市街地へ。震災直後は流された車の残骸で見るも無残な姿だったが、商店街のアーケードが撤去され、街全体が少し広くなった感じである。営業を始めた商店もあり、少しずつ復興が始まっているようだ。盆の墓参りか車の往来も多く、人々の表情は明るい。

 更に南下し、被害の大きかった大船渡駅周辺を通る。数年前にも来たが、かつての賑わいはなく、沈下した土地に海水が溜まっている。かさ上げされた道路だけが印象的だ。鉄路復旧のめどが立たなければ街の再生も難しい。

  陸前高田市に入ると、昨年と変わらず、積み上げられた瓦礫が目に入ってくる。奇跡の一本松の周辺には多くの帰省客、観光客が集まっていた。何もない海岸にしっかりと立っている姿に希望を感じる。一億円以上かけても保存しようとする陸前高田市民の気持ちが、ここに来て初めて分かるような気がした。 

 復興にはまだ遠いが、どうにかしようとしている人たちは確実にいる。その人たちをしっかりと応援したいと、改めて思う今回の視察だった。

 北上市長 髙橋敏彦

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更新日:2019年02月28日