(50)大震災とコミュニティFM

 あの東日本大震災から5年の月日が流れ、人々からは記憶が刻一刻と失われていく。しかし、沿岸被災地の復興はまだまだ道半ばであり、当市に避難された500人を超える人々のうち、今なお応急仮設住宅にお住まいの人も多い。 当市の5年間を振り返ると、震災復興ステーションの設置や職員の派遣など、できることには全て取り組んできたつもりである。なかなか着手できなかった、災害時の地域情報システムとしてのコミュニティFMの整備もようやく始まろうとしている。

 考えてみれば、私は東日本大震災津波の支援活動に関わるまでは、コミュニティFMの重要性に全く気付いていなかった。後に新聞報道にもなったが、沿岸被災地を含め他の自治体ではインフラの被害状況や復旧の見通し、支援物資の有無やボランティアの様子がコミュニティFMを通して住民に伝えられていたのである。この事が、いかに住民を勇気づけたかは計り知れない。ラジオが被災者の命を救ったと言っても過言ではないだろう。私が車で沿岸被災地を訪問した際にも、現地情報はコミュニティFMから得ていた。ラジオの力を初めて感じ取った瞬間である。

 私は市民活動を支援していた当時から「まち育て」の重要性を唱えてきた。「まち育て」とは、身近な地域資源を発掘し、守り育てることで地域を元気にする活動である。「まち育て」は住民の居場所を創り出し、地域教育力も高める。さらにその情報発信は地域のプライドも醸成する。

 翻って考えてみると我が家の片隅で埃をかぶったままのラジオを「地域の宝」に生まれ変わらせることができるのである。コミュニティFMは「防災」と「まち育て」という二つの可能性を併せ持っているのだ。

 北上市長 髙橋敏彦

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更新日:2019年02月28日