北上市あじさい型スマートコミュニティ構想モデル事業

 北上市は、経済産業省のスマートコミュニティ(注1)導入促進事業を活用して、平成24年度から「北上市あじさい型スマートコミュニティ構想モデル事業」を実施しました。(事業期間:平成24~27年度)。これは、市が持続可能な都市のかたちとして掲げる「あじさい都市」を、環境・エネルギー面、防災面から具体化するための事業です。東日本大震災時、エネルギーや社会インフラの脆弱性に直面した経験を踏まえて、自立・分散型のエネルギー供給システムを構築すると共に、自立的かつ持続可能な北上市版「スマートコミュニティ」を構築しました。

 「あじさい都市」とは、都市を構成する地域コミュニティごとに歩いて移動できる範囲に生活を支える都市機能を集中させながら、都市全体を支える核や他地域と連携・共生していく都市のあり方です。都市を構成する地域コミュニティをあじさいの花にたとえ、それぞれの地域が独自の資源を活かして自立した地域として咲き誇り、相互に連携することによって人口減少・超高齢社会にあっても活き活きと持続的に発展できる都市の姿をイメージしたものです。

 あじさい型スマートコミュニティは、再生可能エネルギーとスマートグリッド(注2)技術を活用して、災害に強く自立した持続可能な都市を実現するために、再生可能エネルギー設備の分散配置とエネルギー利用の最適化(地域エネルギーマネジメントシステム(注3)の構築)を実施したものです。

事業の概要

 以下の3つを目標とし、既存建物・施設へ段階的に再生可能エネルギーを分散配置し、市関連施設で使用する電力の再生可能エネルギー比率を高めると共に、面的に災害に強いまちづくりに取り組みました。

  1. 本庁舎の使用電力の20パーセント以上を分散電源で担う
  2. 災害時の災害対策本部等の電源確保
  3. エネルギーの地域内循環

 また、本事業で整備したメガソーラー発電所の売電収益を、スマートコミュニティ事業全体の運営費用としました。

スマートコミュニティイメージ.png

 

事業の経過

経過
平成24年3月 経済産業省のスマートコミュニティ導入促進事業に応募 (国・平成23年度第3次補正予算)
平成24年4月 「北上市あじさい型スマートコミュニティ構想モデル事業」が採択 (北上市を含む岩手・宮城・福島の8地域が採択)
平成24年4~9月 スマートコミュニティマスタープラン検討
平成24年9月 マスタープラン策定
平成24年12月 マスタープラン認定
平成25年4月~ マスタープランに基づく事業スタート(事業実施主体:北上市、株式会社北上オフィスプラザ、株式会社NTT-ファシリティーズ)

実施事業 

 北上第1・第2ソーラー発電所、北上市役所本庁舎、北上総合運動公園内の北上陸上競技場、各地区の交流センター及びオフィスアルカディア北上内の北上オフィスプラザを対象に以下の事業を行いました。

メガソーラー整備・運営事業(平成25年度)

  北上第1・第2ソーラー発電所(愛称:かむいソーラー)を構築

本庁舎エネルギーマネジメント事業(平成26年度から平成27年度)

  太陽光発電設備及び蓄電池導入による災害対策本部の機能強化など

ソーラーパーク整備運営事業(平成26年度)

 太陽光発電設備及び蓄電池導入による岩手沿岸地域の救援拠点となる北上陸上競技場の防災力強化

防災拠点強化・運営事業(平成26年度)

 地域防災拠点である交流センターに電気自動車及び放電機能付き充電器を導入し、拠点間の相互バックアップ体制を構築

オフィスアルカディア北上太陽光発電事業(平成27年度)

 産業支援機関である北上オフィスプラザへの分散電源導入など

地域エネルギーマネジメントシステム(CEMS)整備運営事業(平成26年度から平成27年度)

 地域エネルギーマネジメントシステムを構築し、分散電源の最適制御などを実施

 

スマートコミュニティエリア.png

参考
一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(NPEC) 

(注1)
合意された定義はなく解釈や定義はまちまちですが、新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)では「進化する情報通信技術(ICT)を活用しながら、再生可能エネルギーの導入を促進しつつ、交通システムや家庭、オフィスビル、工場、ひいては社会全体のスマート化を目指した、住民参加型の新たなコミュニティ」と定義しています。(出典:NEDO再生可能エネルギー技術白書(2014年2月))

(注2)
次世代電力網とも訳されます。ITを活用して再生可能エネルギーを含んだ電力網全体の需要と供給の効率化と最適化を行うしくみのこと。

(注3)
地域全体のエネルギー管理を行うシステム(CEMS)。電力使用量の見える化、節電・CO2削減のための制御、再生可能エネルギー供給設備や蓄電池の制御を行うシステムです。管理対象によって名称が異なり、地域全体はCEMS(Community Energy Management System)、住宅向けはHEMS(Home Energy Management System)、業務ビル向けはBEMS(Building Energy Management System)、工場向けはFEMS(Factory Energy Management System)となります。

この記事に関するお問い合わせ先

環境政策課 環境企画係

〒024-8502
岩手県北上市上江釣子17-201-2江釣子庁舎1階
電話番号:0197-72-8281
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更新日:2021年04月21日