【終了】企画展「武士ごのみ・両班ごのみ 日本と朝鮮やきもの展」
會田コレクションの陶磁器を活用した企画展を開催しました
會田コレクションの古美術品のうち、やきものを活用した企画展を今年も開催しました。
今年は「武士ごのみ・両班ごのみ」ということで、18世紀、日本で武家や公家間での贈答品として大人気だった鍋島焼などのやきものと、李朝で支配者層であった両班(ヤンバン)が好んだ白磁のうつわなどを比較する配置で展示しました。
同じ中国から伝わった白磁の製法が、日本と朝鮮でそれぞれ独自に発展していった様子を見比べ、それぞれの美の価値について感じていただけたなら幸いです。
企画展チラシ画像です
会期 令和2年5月30日から8月2日まで
(8月16日までに延長しました。)
会場 北上市立博物館本館
チラシのPDFファイルは、こちらをクリックしてダウンロードしてください。
展示概要
18世紀の日本のやきもの~鍋島焼
17世紀初頭に朝鮮から磁器の生産技術が伝わり、九州地方を中心に日本独自の陶磁(とうじ)工芸が発達しました。
江戸時代になると「美しさ」が価値基準になり、将軍家や大名、公家のあいだでは贈答用品として鍋島焼などの優美で華やかな文様のうつわが好まれるようになりました。
下絵付けの段階から丁寧に描かれたことがうかがえる細やかな文様と、高いデザイン性を持つのが鍋島の特徴です。
18世紀の李朝のやきもの~白磁
李朝の白磁は形もシンプルです
この時代、朝鮮半島を統べていたのは李氏朝鮮王朝(李朝:りちょう)です。
李朝では儒教の一派、朱子学を国教とし、身分秩序を重んじる社会構造になっていました。
支配者層である両班(ヤンバン)は、高潔なイメージを白に求め、日常雑器を白磁製品で統一します。質素なものを良しとする美意識を反映したような、無文様の白磁が多く用いられました。
日本で愛される李朝のやきもの
中国のやきものにくらべて素朴で美的価値は無いと思われていた李朝時代の日常雑器について、いち早く美を見出し、再評価したのが日本人の浅川(あさかわ)兄弟や民藝(みんげい)運動創始者の柳宗悦(やなぎむねよし)らでした。
現在では日本の骨董(こっとう)趣味の人々に愛されており、暮らしの中から生まれた工芸品の“用の美”のとりことなっている方も多くいます。
刀装具も引き続き展示します!
今年5月24日まで延長展示していた前回の企画展「會田コレクション 刀と刀装具の魅力」から、刀装具のみ引き続き展示することとなりました。
武士のおしゃれに欠かせなかった刀装具について、鍋島焼とともに鑑賞することでより一層、「武士ごのみ」がわかるのではないでしょうか。
緊急事態宣言等で行動を自粛していた方々にもぜひ見ていただきたいと思います。
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更新日:2020年09月06日