8月30日から11月24日まで開催 企画展「画家の流儀 池田次男展」
日常の中に潜む美しさ 池田次男の見た世界
「北上出身」池田次男とは
池田次男(いけだつぎお)は、1938年に宮城県大崎市で生まれました。生後まもなく両親の実家のあった北上に戻り、1956年には岩手県立美術工芸学校を卒業します。
本人はアンケートに「北上出身」と書くほどでしたので、北上市で育った印象が強かったのでしょう。長じてからも北上市内にかつてあった鍵屋デパートの看板を描く仕事をしていたり、北上の絵画集団「鬼」に所属したり、市内で制作に励んでいました。
結婚を機にその拠点は花巻市に移りますが、北上駅東口広場へ鬼剣舞をあしらったデザインのステージを作ったり(注・モニュメントのみ現存)、新花巻駅舎内へ《イーハトーブ花巻》と題した壁画を制作したりと、私たちの身近な公共空間を彩るアート作品・パブリックアートを多く手掛けていることでも有名です。
1986年には岩手県優秀美術選奨も受賞しており、2000年に逝去してからも国内外で遺作展が開かれるなど、その作品に魅せられる人は多くいます。
池田次男の表現、着眼点
本展は、池田次男の創作活動を総合的に振り返り、表現の変遷に焦点を合わせて作品を紹介します。
見どころは、郷愁あふれる農村風景や、明暗を意識して描かれた古民家の風景画です。細部まで丁寧に書き込まれた草木の描写や、風にゆらぐ水面の描写などは必見です。
写真を超えた写実と言ってもいいほどの、綿密に構成された絵の力を感じられるのではないでしょうか。
1976年に安井賞候補作品展に選抜された作品《昼下がり》や、初期の新象絵画、人物画や幻想的な雰囲気の作品も展示します。

池田次男《日差し》1976年、油彩
展覧会情報
利根山光人記念美術館企画展「画家の流儀 池田次男展」チラシ (PDFファイル: 3.2MB)
会期・会場・開館時間など
- 会期 令和7年8月30日(土曜日)から11月24日(月曜日、振替休日)まで
- 会場 北上市立利根山光人記念美術館
- 開館時間 午前10時から午後4時まで(最終入館は午後3時30分)
- 観覧料金 一般300円、高校生120円、小中学生60円
詳しくはこちらのページもご確認ください。
関連展示「池田次男の水彩画・スケッチ展」
北上駅前にある生涯学習センターで、池田次男のスケッチなどを展示します。
ササっと描いたように見えて、しっかりと対象の特徴を捉えられているスケッチは、ご自身で絵を描いている人にとっても勉強になるのではないでしょうか。
パースがきちんととれた建物のスケッチは、実力の表れやすいものだけに、ぜひ多くの皆さんに見ていただきたいです。
- 会場 北上市生涯学習センター
- 会期 本展と同期間
作品解説会(参加無料)
展示を担当した専任研究員による作品解説会を行います。
今年当館で取り上げた利根山光人、川村勇と池田次男、3人のそれぞれの画風や創作スタイルの違いなどを紹介し、比較するかたちでそれぞれの作品を掘り下げます。
1枚の絵から読み解く、画家の創作スタイル
- 日時 令和7年10月19日(日曜日) 午前10時30分から
- 会場 北上市立利根山光人記念美術館
- 参加申し込み 不要(当日、時間までにお越しください)
- 参加料 無料(観覧料も無料です)
会期中の休館日
毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、祝日の翌平日が休館日となります。
- 9月 1日、8日、16日、22日、24日、29日
- 10月 6日、14日、20日、27日
- 11月 4日、10日、17日、(25日)
なお、美術館は例年12月から3月までの冬期間、休館します。
この機会にぜひ! 無料観覧デー
- 9月13日(土曜日)は、子ども向けイベント「美術館まつり」で全館使用しますので、観覧は無料です。
- 10月18日(土曜日)、19日(日曜日)は、民俗村まつりを一緒に盛り上げるため、観覧無料です。
- 10月25日(土曜日)、26日(日曜日)は、「東北文化の日」のため、11月3日(月曜日)は文化の日のため、観覧無料です。
更新日:2025年08月27日