(32) 利根山光人記念美術館30周年を迎えて
利根山光人記念美術館30周年を迎えて
『展勝地を見下ろす高台に太陽の画家がいた』。利根山光人画伯は昭和47年の来県の帰途で本市の民俗芸能を鑑賞し、そのとりこになって本市にアトリエを建て、民俗芸能をテーマにした多くの作品を生み出しました。利根山画伯逝去後、ご遺族から寄贈されたアトリエを改装し、平成8年に利根山光人記念館(後に利根山光人記念美術館と改称)として開館、30年を迎えました。
「太陽の画家」と呼ばれるゆえんは、まさに「百聞は一見に如かず」。JR北上駅コンコースの大陶壁画《日輪》もそうですが、太陽のようにエネルギッシュに迫りくる作品の圧倒感。その源流はメキシコに有り。37歳で初めてメキシコに渡ってマヤ文明をはじめ古代遺跡を巡り、祭りや生活風景を題材とした絵画を多く制作したそうです。メキシコ文明と北上の伝統芸能に何か共通点を感じたのかもしれません。平成3年には、利根山画伯の仲介で、北上・みちのく芸能まつりにメキシコから民族舞踊団を招致し、日本とメキシコの「鹿踊」の共演も実現させたのでした。
美術には造詣が深くない私でしたが、昨年、利根山画伯のご息女から世田谷美術館の企画展「自然と魂 利根山光人の旅 異文化にみた畏敬と創造」に招待いただき、東京出張の際に立ち寄りました。生で見る数々の作品の迫力もさることながら、若い学生や芸術家のような人々が多く来場していて、とても真剣に鑑賞していたのが印象的でした。そして、高価なカタログブックが飛ぶように売れていました。私は特に、絶筆石版画のドン・キホーテに言いようのない感動を覚えました。
市は、本年度、開館30周年記念として、さまざまな企画やイベントを行っています。皆さんもこの機会に、利根山画伯のエネルギーに満ちた熱い作品に触れてみませんか。私も感じたように、何か底知れぬパワーをもらえるかもしれません。
北上市長 八重樫 浩文
(広報きたかみ令和8年8月号「お元気ですか 市長です。」より)
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更新日:2026年08月21日