定例記者会見・令和7年6月

令和7年6月5日(木曜日)の定例記者会見

とき:午前11時~12時05分

ところ:市役所本庁舎2階庁議室

市長から

  • ツインモールプラザの再生について説明します。去る5月28日の市議会臨時会議におきまして、ツインモールプラザの再生に向けた補正予算を審議し可決をいただいた。これにより、当市として提案した区分所有権の買い取りとマスターリースを骨格とする再生スキームを進めていくことになるが、市議会においては予算案の議決にあたり、4点の附帯決議がなされた。市として、これを重要な事と受け止めてしっかりと対応していく。本日は、再生スキームを具体的に進めていくにあたり、4点の附帯決議への対応について、特にも市民との直接対話や情報公開などを進める上での市の事業実施体制と、今後、マスターリース実施事業者を選定するプロポーザルを行う際の実施概要など、大きく2点について説明する。

  • ツインモールプラザの再生について、4つの基本方針を市としては考えている。まず、基本方針1として、ツインモールプラザは市における重要な都市拠点施設であり、将来にわたり活用を図っていくとした。市では「あじさい都市構想」を進めており、ツインモールプラザについては、ホッコ(hoKko:保健・子育て支援複合施設)をはじめ、バスターミナルも設置され、各地域の拠点とを交通ネットワークにより連携させ、共生、補完しながら市全体として持続可能なまちを運営していくための中核施設となっている。基本方針2は、北上都心開発株式会社の経営破綻によるツインモールプラザの機能停止を避け、円滑かつスピードある移行によって、テナントの事業や雇用を確保するとした。基本方針3は、市の財政負担の拡大を抑止し、持続的な運営体制を構築する。移行後は市場の需要に基づく、ビルの最大限の活用により最大の経済効果を図るとした。最後、基本方針4は、北上都心開発株式会社には運営事業から撤退をしてもらい、施設は市が所有した上で、マスターリース方式により新たな民間事業者を募るとした。

  • 本日の資料には、大きなポイントとして2つ。これまでの経緯は記載のとおりであり、4月22日市議会全員協議会において、個人、法人、及び地権者などの情報があったことから、非公開で開催とした。その後、市議会議員から77の質問を受け、5月16日に公開の形で市議会全員協議会を開催した。短期間ではあったが、5月末までに再生について判断いただく必要があったことから、5月26日の市政調査会での勉強会を経て、5月28日の市議会臨時会議において補正予算案を上程し、反対の議員もいる状況であったが、賛成多数として議決をいただいた。ただし、附帯決議については、全議員による附帯決議であり、市として重く受け止めている。4つの附帯決議について、改めて全文を述べる。

  • 1つ目、北上都心開発株式会社が経営破綻に陥りそうだとの認識を持ちながら、対応が遅れた経緯や過去の流れ、経緯を整理検証し、それぞれの責任の所在を明らかにした上で、他の第三セクターで同様の事態が起きないよう対応策を示すこと。2つ目、プロポーザル方式による公募は公開で行うこと。さらにツインモールプラザの役割を鑑み、テナントシーリングにおいて不相応な業態の店舗等が入居することが無いよう条件を付すこと。3つ目、北上都心開発株式会社に対して、雇用の確保や今後の債務返済に努めていくことを誓約書又は覚書の提出を求めるなど、事業を継続していくことを担保するよう求めること。4つ目、この事業を進めるにあたっては、市民に説明する機会を設け、以上の点と合わせて事業の不可避性を明確に示し、丁寧な説明を行うとともに、今後の見通しなどについてもその都度説明を行い、理解を得ること。

  • これら附帯決議への対応について。まず1つ目、20年以上前からの過去の流れ、経緯について、直ちに整理と検証に入る。具体的には、市行政マネジメントシステムにより検証する。2つ目、プロポーザル方式による公告を6月9日月曜日に実施する。これは企画提案概要、審査員、審査結果、講評を公開する。3つ目、過去の経緯に鑑み北上都心開発株式会社に対し、覚書として、しっかりと明文化した上で取り決めをしたい。収支弁済、経営継続計画を精緻化して実施していただく。その管理は当市としてしっかりチェックを行う。4つ目、市民に対する説明について、次に今回のことを諮るタイミングが9月の市議会通常会議となり、それまでに市民の皆さんへ説明する。7月5日に市民説明会を予定している。また、市広報紙7月号で特集記事を掲載する。さらに、市ホームページで今回の件に関する専用ページを設置し、随時、市民の皆さんからの意見を受け付けながら対応する。

  • 次に、人員体制については、6月2日付けで商業観光課に2名を増員配置し、体制を強化した上で対応する。

  • 資料の関係図のとおり、市はツインモールプラザを所有する。また、北上都心開発株式会社の株式を処分し、資本関係を解消することを考えている。北上都心開発株式会社においては、金融機関に対し返済を行っていく。今回のプロポーザルによりマスターリース先が決定し、ここが大家となり、テナントと賃貸借を締結することになる。

  • 次に公募型プロポーザルの概要について。運営事業者となるマスターリース賃借人を募集する。主な募集条件として、1.東館の1階から4階までは必須として、希望する場合は5階まで、あるいは西館の7階から8階までを市と賃貸借契約を締結し、施設を運営、維持管理を行うこととなる。2.運営事業者は、継続を希望する既存テナントと協議の上、新規の賃貸借契約を締結する。3.東館1階については、総賃貸面積の半分以上を小売店、飲食店、サービス業を営む店舗とする。4.対象区画の引き渡しは、現状有姿により令和7年12月中に行う。5.運営事業者は、市から対象区画の貸し付けを受けるものとし、賃料については提案をいただく。6.と7.は合わせて説明となるが、市は建物修繕負担金として最大で3億6千万を支払い、それ以上は支出しない。運営事業者は対象区画における賃貸借契約期間中の建物修繕費や維持管理費を負担する。8.市は補助金支出、損失補填、債務保証等の財政支援は一切しない。10.併設する市営本通り駐車場の指定管理について、本年10月以降に応募者と市が協議の上、協定を締結する。次に主な資格条件として、他者が所有する商業施設が入居する5階以上の建物を賃貸または購入し、運営した実績が直近10年以内に5件以上ある者かつ東北6県管内に1件以上ある者とする。スケジュールは、6月9日から公募となり、8月末には優先交渉権者を決定したい。

     

ツインモールプラザの再生について(説明:市長)

質疑

Q(NHK)
ツインモールプラザ再生について、基本方針案の中で、テナントの事業や雇用の継続を確保とあるが、要はテナントの事業や雇用の維持というのが前提条件であるのか。
A(商工部長)
普通であれば、民事再生や破産となった場合に、事業は継続できず全く止まってしまう。そうなれば、雇用関係や経済効果が失われてしまうことが懸念される。今回、マスターリース方式の最大の利点は、現行テナントが事業の継続、雇用の継続をスムーズに繋いでいくことができる。そこを利点とし、まずは運営事業者が現行テナントと協議をもってもらい、新たな契約により事業の継続を進めてもらいたいと考える。

Q(NHK)
前提条件というよりは、現行テナントと継続についてしっかり協議し、できるだけ現状を維持できるようにということか。
A(商工部長)
今回の件でのハレーションを抑えたいというのが、この事業の狙いとなる。まずはスムーズに事業を継続していただく。その上で、将来的には、契約更新のタイミングがあるので、そこで賃借料の検討はでてくるものと思うが、まずはハレーションを抑えたいということ。

Q(NHK)
当面は、雇用の面も含めて、テナントの事業環境が激変することが無いようにという狙いか。
A(商工部長)
お見込みのとおり。経済的影響というのを最小限に抑えていきたい。

Q(NHK)
今回、市が買い取りする商業施設の土地、建物を買い取りする金額は、大体いくらか。
A(商工部長)
買取経費として、9億3千万円あまり。

Q(NHK)
市が出資する第3セクターが、このような厳しい経営状況となったことについて、市長としてどのように受け止めているか。
A(市長)
コロナ禍やネット通販の普及拡大など、これまで様々な経済情勢の変化はあったが、やはり北上都心開発株式会社の営業努力が足りない部分もあったかと思う。このような事態となり残念である。一方で、公共的な意味合いも持つ施設であり、これを維持していく。これまで商業テナントビルとして運営されてきたが、時代の流れにマッチしたノウハウがある運営事業者をプロポーザルで募集する。ホッコ(hoKko)を含めた公共的な機能を維持するため、しっかりと再生を図りたい。

Q(河北新報)
地方都市で百貨店の維持運営が厳しい時代となっているが、新しい運営事業者にどのような運営を求めるのか。
A(市長)
東館1階については、小売店を含む商業施設とする制約はあるが、それ以外のフロアの縛りはなく、商業機能に限らず、公共的な機能や公益的な機能を持たせることも将来的にはあり得る。

Q(岩手日報)
ツインモールプラザの近傍に市立大学設置の構想があるが、市民の間でも、両方を重ね合わせて捉えている人もいるのではないか。改めて、市民にはどういった形で説明を行うのか。
A(市長)
まずは最優先としてツインモールプラザへの対応が必要であり、市立大学基本計画に関する予算案については9月市議会通常会議で諮る予定である。両施設は地理的に近い範囲となるが、ツインモールプラザは市民の生活に直結する施設として、維持、再生していかなければならない。市立大学は、中長期を見据えて引き続き検討していく。これらは並行して進め、市民にも説明していく。今回、新たに10億6千万円の財源が必要になるため、令和6年度予算を閉じたところで、現在、最新の財政分析と財源の見極めを行っている。合わせて市民の意識の醸成も必要である。財源の問題、タイミングの問題もある。市街地再開発にあたっては、都市計画の問題もある。それらさまざまなことを勘案して、まずは財政見通しをしっかり出さなければならない。

Q(岩手日報)
以前の取材で、新たな運営事業者と市は、再生プランの中で10年間の収支を考えていくとの話であったが、市立大学が有るのと無いのではかなり異なってくると思われるがどのように考えているか。
A(商工部長)
以前から都市機能としての大学の話は説明しているが、施設をどのようにまち中に配置していくのかは、大学の話とは別に、マーケティングによる検討となる。また、場所としては本通りを含めた再開発事業が予定されている範囲であり、例えば、マンションや大学ができるとなれば、人々が集うエリアとなり、商業ニーズも変わってくる。市としては、そういった視点をもって責任あるニーズの受け皿を用意していきたい。

Q(岩手日報)
ツインモールプラザの建物修繕費負担金3億6千万円を上限とすることについて、これは建物を引き継ぐ際に支払うものか。
A(商工部長)
不動産鑑定を踏まえてツインモールプラザをみていくと、将来にわたり10年、20年の運営において、固定費として分析したところ、維持管理費含めて3億6千万円は必要になると判断した。市として大きな財源なので、可能ならば平準化して負担していきたいと考える。そのあたりは契約の中で協議していく。
(副市長)
夏油高原スキー場は、修繕費2億円を10年間の債務負担行為により設定しており、同じような仕組みとなるものと思う。

Q(読売新聞)
市所有となれば、固定資産税が入ってこないと思われるが、その額はいくらか。
A(商業観光課長補佐)
年間4千万円ほどの税収減となる。

Q(読売新聞)
他でもテナントが見つからず困っていることがあるが、他市の事例のように、県や市が公共機関として入居するようなことが、北上市でもあり得るのか。
A(商工部長)
まず一義的に、10年間は経済効果を生んでいきたいと考える。できれば民間投資をキープした状態で運営していきたい。しかしながら、今後、将来の市役所の庁舎予定地や駅前の生涯学習センターをどう配置していくか検討していく中で、20年、30年の長期スパンとしては、行政利用による入居を含めてすべての選択肢を排除するものではない。

Q(岩手日日)
7月5日の市民説明会は、どのような内容で、どのような流れで説明するのか。
A(商業観光課長)
これまで、市民へ直接説明する機会が無かったので、改めて、ここに至った経緯や、マスターリース方式を選択した理由、ツインモールプラザ再生に関する基本方針について説明し、市民との意見交換を行いたい。

Q(河北新報)
過去の検証について、市民説明会で示すのか。
A(商業観光課長)
7月5日時点では、検証が終えられない見込みとなっており、先ほど述べた内容について説明する予定である。
(企画部長)
検証については、行政マネジメントシステムによって行うと説明したが、2カ月ほどかかる見込みで、8月以降の公表となる。
(市長)
市民説明会では、私からツインモールプラザの設立時からこれまでの経緯をできるだけ話したいと考えている。

Q(読売新聞)
専用のホームページは、既に開設しているのか。
A(商業観光課長補佐)
6月9日のプロポーザルの募集開始とともに開設する予定である。

Q(NHK)
プロポーザルの募集期間が短いように思われるが、運営事業者の目途はたっているのか。
A(商業観光課長補佐)
本事業を着実に進めるためには、事業者へのヒアリングは必須であったため、あらかじめ実施済みであるが、募集は公募型となるので、他事業者を排除するものではない。再生事業の開始時期を考慮すると、9月の市議会通常会議に向けて必要最小限ではあったが、募集する日数を確保した。

Q(NHK)
新しい運営事業者での体制は10月にスタートするのか。
A(商業観光課長補佐)
運営事業者は、10月時点での現場の状況を確認し、テナントとも十分にコミュニケーションを取っていただき、その上で、このタイミングから始めるということはあると考える。

Q(読売新聞)
運営事業者が希望する場合に、5階も対象とあるが、希望しない場合はどうなるのか。そのまま取り残されるのか。
A(商業観光課長補佐)
事前の事業者ヒアリングにおいては、マスターリース先としては需要が低い階、つまり運用しても利益が生じない床となる。西館の7階、8階も同様である。取り残される可能性はあるが、テナントの入居が無い状態が良いことではないので、その場合は市として検討が必要となる。

Q(読売新聞)
西館のスポーツクラブはどうなるのか。
A(商業観光課長補佐)
そのまま残るという想定である。なお、マスターリース方式によらない可能性もあり、その場合は市との直接契約となる。

Q(NHK)
現在のテナント数は。
A(商業観光課長補佐)
70強となる。

Q(岩手日日)
ツインモールプラザ併設の駐車場について、現状は指定管理者制度で運営か。ツインモールプラザの運営事業者移行後は、同じく指定管理者制度で運営していくのか。
A(商業観光課長補佐)
現在についてはお見込みのとおり。移行後も指定管理者制度を目指すが、駐車場の運営形態には、指定管理者制度、委託による直営など様々な方法がある。

 

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更新日:2025年06月30日