令和2年度発掘調査速報 Vol.2 馬場野遺跡-工業団地からみつかった中世の墓-

馬場野遺跡(ばばのいせき)

所在地:北工業団地地内 期間:令和2年6月1日~7月16日 調査原因:市道建設

馬場野遺跡では、今までに存在を知られていない、中世の墓が見つかりました。大きさは縦横20mほどの大型の墓で、墳丘の高さは1.2mほどあります。墳丘をめぐる溝に火を焚いた跡があり、「正隆元寶(せいりゅうげんぽう)」や「永楽通宝(えいらくつうほう)」という15~16世紀ごろに使用された銭が6枚見つかりました。いわゆる六道銭(ろくどうせん・三途の川の渡し賃)とみられます。また、墳丘表面からは骨の破片も出土しています。東隣の金比羅(こんぴら)山の周辺には館や屋敷に関わる地名が伝えられていることなどから、和賀郡一帯を支配した和賀氏の一族に連なる人物の墓所と考えられます。

馬場野遺跡 空撮

上空から見た墓(北から) 工場敷地内に張り出すように、中世の墳丘が残されていました。周囲は昭和40年代に工業団地造成のため削平されましたが、なんらかの理由により残されたとみられます。

馬場野遺跡 調査中風景
馬場野遺跡 銭の出土状況

左:調査中の様子(東から)。墳丘を帯状に残し、土の堆積を断面で確認しています。当時の地表面に1.2mほど土を盛り、墳丘を造っていたことが分かりました。

右:銭の出土状況です。5枚の銭が貼り付いて見つかった状態です。このほかに1枚が見つかりました。

馬場野遺跡 骨の出土状況

骨の出土状況です。墳丘北側の地表面付近から、火葬された骨の破片が見つかりました。

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更新日:2020年09月11日