令和2年度発掘調査速報 Vol.3 野田1遺跡-土器職人の住居跡-
野田1遺跡(のだいちいせき)
所在地:北上市二子町才の羽場 期間:令和2年9月10日~9月29日 調査原因:住宅建設
野田1遺跡の発掘調査は、今回がはじめてです。平安時代(9世紀後半)の竪穴住居跡が1軒みつかりました。大きさは東西6m×南北5mほどで、この時代では比較的大型の住居跡です。住居床面中央からは土器の材料である白色粘土が詰め込まれた穴がみつかりました。穴の底面に細い穴があることから、土器づくり用のロクロを設置した穴と考えられ、この住居跡は土器職人の工房兼住居だったことが分かりました。本遺跡の東側には奈良時代~平安時代(8世紀~9世紀)の大規模な土器生産集落である千刈遺跡・中村遺跡があることから、本遺跡は両遺跡からの移住によりできた集落かもしれません。
SI001竪穴住居跡(北から) 6×5mの比較的大きな竪穴住居跡で、人がいる場所がロクロ設置穴のみつかった場所です。
ロクロ設置穴と白色粘土の出土状況 底面にロクロの軸棒を設置するための細い穴があるのが特徴です。居住の終了時にロクロを外し、土器素材の白色粘土を使い埋められました。
ロクロの使用方法(有斐閣選書『図解 技術の考古学』1988 より)
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更新日:2020年10月15日