令和2年度発掘調査速報 Vol.4 八天遺跡-大形円形建物跡隣接地の調査-

八天遺跡(はってんいせき)第7次調査

所在地:北上市更木34地割地内 期間:令和2年7月20日~12月18日 調査原因:内容確認調査

八天遺跡は縄文時代後期を中心とする集落跡です。これまでに6次にわたって調査が行われ、同じ場所で何度も建て替えられた大形円形建物跡と、耳・鼻・口形土製品などが発見されています。北上盆地の縄文時代を代表する遺跡で、昭和53年に国史跡に指定されました。

今回の調査は、史跡の本質的価値を再検討し、保存活用計画を策定するために実施しました。調査の結果、竪穴住居跡6棟、複式炉1基、掘立柱建物跡2棟、貯蔵穴15基、土坑23基、柱穴285基が見つかりました。

八天遺跡 俯瞰写真

上空から見た八天遺跡(東から)です。第7次調査では、大形円形建物跡の南側隣接地と東側の4調査区を調査しました。

八天遺跡 竪穴住居跡

竪穴住居跡(縄文時代中期末葉)です。この写真に写っている竪穴住居跡では、同じ場所に複式炉を作り直して住んでいたことがわかりました。炉を作り直して同じ場所に住むという行動は、この時期の縄文人によくみられます。

八天遺跡 貯蔵穴とそこから出土した縄文土器

貯蔵穴とそこから出土した縄文土器です。縄文人は、食糧を貯蔵するために入り口が狭く、底が広くなっている穴を掘ります。使われなくなった貯蔵穴は、ゴミが捨てられたり、お墓として利用されたりすることがあります。

第7次調査では、縄文時代中期末葉と考えられる竪穴住居跡が多く見つかりました。貯蔵穴も多くは中期末葉~後期初頭のものですが、後期前葉まで下るものも確認されました。このことから、八天遺跡は縄文時代中期末葉~後期前葉(約4,500~4,100年前)にかけて大きな集落として利用されていたことが分かりました。

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更新日:2021年02月15日