上須々孫館経塚
上須々孫館経塚(かみすすまごだてきょうづか) 市指定史跡
経塚とは、仏教の経典を土中に埋納した施設です。確実なものとしては、藤原道長が極楽往生を願って奈良県金峰山(きんぷせん)に納めたものが、最古の事例とされます。平安時代以後、貴族や有力者の間で流行し、全国に広まりました。
上須々孫館経塚では、2基の塚がほぼ当時の姿を留めて発見されました。塚から発見された経壺は渥美産(愛知県)のものがあり、文字を墨書した礫も見つかっています。付近からは仏具である鉄磬(てっけい)が出土しており、周辺で何らかの儀式が行われたことを伺わせます。12世紀後半に、平泉藤原氏との関係を有した地域の有力な人物によって造られたものと考えられます。
北上市の平安時代末期における経塚の実態を知り得る遺跡として貴重であり、奥州藤原氏との関係を考える上でも重要です。

上須々孫館経塚の発掘調査状況(平成15年)

上須々孫館経塚出土品(県指定有形文化財)

納経儀式の想像図
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更新日:2024年04月30日