平成31年度発掘調査速報 Vol.1 成田遺跡・成田岩田堂館遺跡-飯豊川の高台に広がる縄文の狩猟場-
1.成田遺跡(なりたいせき)
所在地:成田27地割 期間:平成31年4月10日~5月8日 調査原因:工業団地造成
今回の調査では、縄文時代(詳細時期不明)の溝状落とし穴3基、縄文時代晩期(約2,500年前)の食糧貯蔵穴2基、土坑1基などがみつかりました。溝状落し穴3基は昨年みつかった4基の溝状落し穴と同じ経路に並んでおり、獣道に沿って掘られたと考えられます。さらに縄文時代晩期の食糧貯蔵穴がみつかったことから、今まで知られていない縄文時代晩期のムラが成田遺跡にあったことが分かりました。

赤で囲まれた中が遺跡範囲(北東から撮影、左が北上川)です。工業団地北部にあり、付近には建設中の東芝メモリ(現・キオクシア)新工場があります。


左:成田遺跡の落とし穴群の様子(南から)です。溝状に延び、深さは人の腰ほどまであります。
右:成田遺跡の貯蔵穴の埋まり方を記録する様子(南から)です。断面は底へ向かって広がっており、食料の貯蔵に用いられたと考えられます。
2.成田岩田堂館遺跡(なりたいわたどうだていせき)
所在地:成田1地割 期間令和元年9月9日~9月10日 調査原因:工業団地造成
今回の調査地点では溝状の落とし穴1基が見つかりました。周囲の発掘調査でも多数の落とし穴が見つかっており、縄文時代の長いあいだ狩猟の場だったことがわかっています。

溝状の落とし穴(南から)の様子です。大人の胸付近まで入るほどの深さがあります。
この記事に関するお問い合わせ先
- このページに関するアンケート
-
より良いウェブサイトにするために、このページのご感想をお聞かせください。
更新日:2020年02月05日