平成31年度発掘調査速報 Vol.2 滝ノ沢遺跡・梨子山遺跡-住宅街の中の縄文ムラ-
1:滝ノ沢遺跡(たきのさわいせき)
所在地 :大堤北一丁目 期間:令和元年5月22日~30日 調査原因:アパート建設
滝の沢遺跡では、縄文時代(詳細時期不明)の溝状落し穴3基、柱穴状土坑群がみつかったほか、縄文時代前期~中期(約5,000~4,500年前)の土器片が出土しています。近年の調査により、国道4号線をはさみ東西に集落が広がっていた様子が明らかになっており、今回の調査でもそれが裏付けられました。


左:滝ノ沢遺跡の近景写真(北西から)。住宅に囲まれた耕作地の中にあります。
右:滝ノ沢遺跡から出土した土器片。縄文時代中期前半(約4,500年前)のものが多くを占めます。
2:梨子山遺跡(なしこやまいせき)
所在地:上野町一丁目 期間:令和元年5月27日~30日 調査原因:住宅建設
梨子山遺跡では、縄文時代(詳細時期不明)の落し穴2基がみつかりました。今回みつかった落し穴は円形で底に杭穴の無いものが1基、長方形で底に杭穴が5個あるものが1基です。過去の調査でも円形で底に杭穴が1つある落し穴などがみつかっており、様々な種類の落し穴が分布していることがわかっていますが、これらは時代の違いを示しているとみられます。上野町の住宅街は、縄文時代の長い間、狩猟の場となっていたことがわかってきました。


左:梨子山遺跡の近景写真(南から)です。赤丸内が落とし穴で、成人男性の胸あたりほどの深さがあります。
右:落とし穴2基の写真。左は丸型で底は平ら、右は長方形で底に杭穴が設けられています。
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更新日:2020年02月05日