令和4年度発掘調査速報Vol.6下仙人館跡
下仙人館跡(しもせんにんたてあと)
所在地:北上市和賀町岩沢9地割地内
期間:令和4年8月23日~11月22日
調査原因:消防道路建設
遺跡は和賀川南岸の高台の上にあり、遺跡内には国指定重要文化財多聞院伊澤家(たもんいんいさわけ)住宅と久那斗(くなと)神社があります。昨年度は地形測量と、東側下段の平場の調査を実施しました。今回は伊澤家住宅東側の平場を調査し、縄文時代前期の竪穴住居跡2棟、土坑10基、中世の堀跡3条、近代の馬埋葬土坑2基が見つかりました。堀跡のうち1つは今回の調査で初めて見つかりました。また、東側の堀から「聖宋元宝(せいそうげんぽう)」の模鋳銭(もちゅうせん)が出土したことから、室町時代の終わり頃(16世紀後半)には城館として利用されていたと考えられます。縄文時代の竪穴住居跡のうち1棟は前期中頃(約6,500年前)、1棟は前期末頃(約5,700年前)のもので、800年という長期にわたり村として利用されていたことが分かりました。また、馬埋葬土坑の近くには明治20年代に建てられた馬頭観音碑(ばとうかんのんひ)があることから、馬の埋葬はこの頃に行われたものとみられます。
調査区全景(上が北)
縄文時代前期の遺構群(東から)

中世の堀跡から出土した聖宋元宝(模鋳銭)
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更新日:2024年03月14日